「産後の骨盤矯正」と良く聞くけど、いつ頃から受けるべきなのか?いつまでに受けた方がよいのか?そもそも産後骨盤矯正が必要な理由は?
自宅でのケアや体操など、女性の体のメカニズムにそって産後の骨盤矯正を行う時期について埼玉県さいたま市浦和の整体師が解説していきます。
産後に骨盤矯正が必要な理由と時期
産後を迎える前に妊娠、出産と迎えるわけですが、まず妊娠する状態とは体が健康な状態でないと成就することはなく健康で病院にかかる唯一の状態です。
妊娠出産が可能なのは女性だけです。次の世代に命をつなぐことができる女性は人生の中で3回の体が壊れやすい時期を迎えると言われています。
最初に迎えるのが10〜15才にかけての「初潮期」です。次に迎えるのが、主に10代〜40代にかけての「妊娠(出産)期」。最後に40代後半〜50代にかけての「閉経期」になります。
今回の産後は、この「妊娠(出産)期」にあたります。妊娠出産の時期はリラキシンと言われる
骨盤の関節を緩めるホルモンが分泌されるため非常に骨盤が不安定になる時期です。
この緩んで不安定な骨盤をそのまま放置しておくと、腰痛や肩がこるだけでなく、内臓機能にも大きな影響を与えてしまいます。
そのため、欲をいえば産後だけでなく産前から出産を迎えられるだけの体作りをしていき、準備万端で出産を迎えてあげると産後の骨盤の回復もグッと早くなるのです。
では本題の産後の骨盤矯正を始める時期ですが、産後1ヶ月目〜6ヶ月目くらいの間に行うのがよいです。帝王切開の方は2ヶ月目くらいからで行うとよいです。
すでに6ヶ月を過ぎてしまった方でもそのまま放置しておくとその後の体の不調や太りやすい体につながってしまうため、早めに適切な対応をしてもらうことをオススメします。
よく「一人目を産んだ時は体重が元に戻ったのに、2人目の時はなかなか戻らなくなって、一人産むたびに太りやすくなってる気がする」という人が多いです。
これはまさに産後骨盤を適切にケアしていないことで骨盤が機能を失ってしまったことで太りやすくなっているのです。
歩様(歩き方)と骨盤の機能はとても密接に関係してきます。
当院でも歩き方を観察しながらそれによって骨盤施術の方針を決めていきます。それくらい歩くことは体の機能において重要になります。
産前産後はこの歩き方が大きく崩れやすい時期になります。その歩き方が定着したままでいると体のあちこちに不調が出るのもうなずけるのではないかと思います。
まず、妊娠中は特に出産まじかになると妊婦さんのお腹は、羊水と合わせて8kgくらいの重さがあります。
考えてみてください。大きなお米の袋を一袋寝ても覚めても体の前で抱えてるわけですから体の負担は大きいはずです。
それに耐えられるだけの体作りも妊娠初期から歩くことをしっかりして迎えたいですね。可能であれば妊娠中は1日3時間くらいの歩行ができるとよいです。
さて話を戻して、この大きなお米の袋一袋分もある重さを体の前で支えるわけですから、体が前に倒れないように体の後ろにも同じように重心を作らないと体はバランスが取れません。
これを妊婦さんは背中を丸くしていわゆる猫背になりバランスをとるのです。猫背の姿勢は腰を反った姿勢にしてしまい腰痛にもつながるわけです。
このお腹が大きい状態での歩き方は体を横に揺らすペンギンのような歩き方になってしまいます。
この歩き方はすごく太ってる方の歩き方にも似てきて疲れるわりにはエネルギーを体の軸で使えないためエネルギーや熱量が体の中にこもりやすくなります。
このエネルギーや熱がこもりっぱなしになると氷食症や果物や野菜をやたらと食べたくなってしまうのです。
この状態で出産を迎え出産後もママさんは赤ちゃんを抱っこしていたり、ベビーカーを使って移動したりと腕をしっかりと動かした歩行をする機会がほとんどありません。
この歩き方が自分の体の中で定着してしまい、骨盤の機能を低下させ、不調へとつながっていきます。
そのため、産後は早期に骨盤を正しい機能に戻してあげる必要があるのです。
産後は骨盤ベルトではなく◯◯◯を巻く
妊娠中や産後に、骨盤が緩むからとベルトをする方は多いのではないでしょうか。ただこの骨盤ベルトは骨盤の機能を考えるとあまりオススメできないのです。
ベルトは緩んだ骨盤を締めつけることで安定させますが、骨盤は動かないといけないのです。
骨盤を締めつけずに安定しつつ、なおかつ骨盤の関節が適切に動く状態を作る。そんな都合のいいものがあるのでしょうか。
実はあるのです。
それが、昔ながらの「さらし」なのです。
「さらし」は生地が木綿のため、ベルトのゴムなどの生地と違って熱エネルギーを外に逃がしてくれる効果もあります。
もう一つの機能は寝るとき以外は「さらし」をつけっぱなしにしていることで本来の骨盤の動作の再教をしてくれます。
これがあまりにずれてくるようならば普段から骨盤に負担のかかる動作をしていることになります。
座り方や歩き方など、ずれてくる動作は自分でもわかってくるため結果として骨盤は本来の機能を取り戻し整っていくのです。
さらに「さらし」が良いのはそれだけではありません。それは日本人と西洋人の骨盤の形状の違いが大きく関係しています。
西洋人(コーカソイド系)は、別名「騎馬民族」と言われ「骨盤が縦長」の形状です。馬や自転車にも対応できる骨盤の形状をしています。
それに対して日本人(モンゴロイド系)は、農耕民族で「骨盤が平たい横長」の形状です。畑を耕したり中腰に対応できる形状になっています。
ただし、横に長い骨盤の形状は西洋人に比べてゆるみやすいのです。すなわち「さらし」で安定させる必要があるのです。
さらしの巻き方は、骨盤や体の状態によって巻く方向が変わってきますが、一般的な巻き方をご紹介いたします。
支点になるのが骨盤の前にある「上前腸骨棘」(別名ASIS)という場所と、骨盤の一番上に当たる「腸骨稜」という場所になります。
巻く時の注意点として、肌の上から直に巻きその上から下着を着るようにしてください。このことによりトイレも問題なく済ませます。
もう一つの注意点は、巻く時は引っ張らないということです。
先にお伝えしたように骨盤の関節は動かないといけません。締め付けてしまうと本来の動きが出なくなってしまうためです。肌の上でコロコロと転がすように行ってください。
まず、巻き始めは左のASISをさらしの上と合わせて右のASISに向かって平行に転がします。
後ろに回ったら、また平行に左のASISに戻してきます。
次に右の腸骨稜に向けて上がるように転がし
後ろに回って平行に左の腸骨稜に向けて転がします。
次に右のASISに向けて下がるように転がし
後ろに回って左の腸骨稜に向けて上がるように転がします。
前に回って平行に右の腸骨稜に向けて転がし
後ろに回って左のASISに向けて下がるように転がします。
最後は、ASISから反対のASISに向けて巻くのを繰り返して巻き終えます。
ずれないように端の下を織り込んで止めます。
さらに前の下を3〜5cm折り返しておくと座った時などに股関節に食い込んでずれてしまうことの防止になります。
上は拳が入るくらいゆるくなりますが、それで大丈夫です。
難しいようですが、骨盤の前と後ろとをそれぞれ1回づつ「×」(バッテン)を作って巻くだけです。
1日使っていると終盤ころにはゆるみがどうしても出てきてしまうためずてくるようでしたら、さらしの下を前も後ろも何度か折り返してもらうとまたしっかりと安定します。
お風呂や寝る時以外つけていることで骨盤の安定と本来の骨盤の動きの再教育になり産後不調や産後太りの早期回復へとつながっていきます。
骨盤を強化する内またスクワット体操
それでは、産後のゆるんだ骨盤を安定させるための自宅でできるエクササイズを一つ紹介いたします。
妊娠期から大きなお腹を抱えているママさんは、どうしても脚が開いた歩き方になりがちです。この姿勢はさらにゆるんだ骨盤をゆるんで不安定な状態にしてしまいます。
脚を広げた状態の歩行は横に揺れ、体の軸でエネルギーが使えずに外にエネルギーが逃げてしまうため効率的に体を代謝することができなくなります。
結果的にこれが産後太りにつながってくるのです。
この横に揺れて外にエネルギーが逃げてしまう動きから、体の軸を使った骨盤の動きに戻すためのエクササイズが、今回お伝えする「内またスクワット」になります。
このスクワットは筋トレの目的で行うスクワットとは違います。
広がった骨盤を安定させて、動かなくなった股関節の関節面に油分を出させて本来の骨盤の動きを取り戻すためのスクワットになります。
そのためスピードはなるべくゆっくりと最初は深く沈めないと思いますがフォームを第一優先にして行ってください。
やり方は、まず足を肩幅程度に広げて立ち、広げた足を内またにします。
産後だけでなく普段から外に足先が向いた歩き方をしている人は内またにしたつもりの足先が平行くらいにしかなってない場合が多いのです。
注意点として、内またにしてから一度自分の目で足先が内側にちゃんと向いているか確認しましょう。
この内またの状態でスクワットすることで外に逃げるエネルギーを軸で使うことになり、広がってしまった骨盤を安定させる方向に向けられるのです。
次に、両腕は胸の前でクロスさせてスクワットをしていきます。
この際に、お尻を後ろに突き出しながら行ってください。
お尻を突き出すのですがその際に上半身がお辞儀しないように、顔が真下に動くようにスクワットしましょう(スクワットした際に顔がヒザの上にくるように)
もし、上半身がお辞儀しているのかしていないのかがわからなければ以下のやり方から始めてみてください。
壁を正面にして手を伸ばし、壁にギリギリ手のひらがつくかつかないかの距離に保ち、この状態で内またスクワットをしてみてください。
この状態でスクワットをすると、上半身がお辞儀しているようならば、壁に手がついてしまいます。もしつかないようならば上半身はお辞儀していないということになります。
このスクワットは、1日8回×2セットくらいから始めましょう。
初めのうちは、1セット目は壁に手を伸ばしたスクワットで感覚を得て、2セット目に手を胸の前にクロスした状態でスクワットするという感じで行うと上達が早いと思います。
産後だけでなく産前や普段歩くのが少ない方もぜひトライしてみてください。
産前産後も歩行が大切
やっぱり産前産後も歩行が一番大切です。
産前からしっかり歩くことで出産に耐えうるだけの体力と出産、産後の不安定な骨盤から安定した骨盤により早く戻せるきっかけを作ってくれます。
ただし、一番歩いた方がよいこの時期に、出産を終えるとママさんは赤ちゃんを抱っこしたり、ベビーカーで移動したりとなかなか一人で歩く時間を確保するのは困難かと思います。
歩けない時の代用方法をいくつかお伝えします。
自宅で内またスクワットをしっかりと行ってもらったり、自宅やマンションなどの階段をゆっくりと上り下りする、自宅での踏み台昇降運動や以前お伝えしたトランポリンなどでも代用できます。
ご自分のライフスタイルに合わせて選択してみてください。
まとめ
冒頭にもお伝えしたように女性の3大脆弱期の一つである妊娠期(妊娠、出産、産後を含めて)は女性が体を崩す大きな時期になります。
妊娠期からの早期の体つくりと産後のケアが重要なのがお分かりいただけたと思います。今回は産後の骨盤矯正を行う時期について埼玉県さいたま市浦和の整体師が解説いたしました。
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